Quadcept 10.10.0 リリース

より高度なライブラリ管理について

Quadcept Forceを活用すると、開発体制を強化できます。Quadcept Forceの機能一覧を追加しましたので、ぜひお目通しください。

バージョンアップのご注意

■データについて
v10.10.0で保存されたプロジェクトデータ・PCBデータ・パネルデータ・部品データ・フットプリントデータは、旧バージョンで開くことができません。プロジェクトデータを共有する場合は、バージョンを合わせてご利用ください。

目次

新しい機能

Common

CCM部品を使った流用部品の作成がより簡単に

機能実装の背景(ユーザー様からご要望)
  • 新規部品作成時にCCMに登録したシンボル・フットプリントをアサインするとCCMにしか保存できない(部品をローカルに一時保存したい)
実装後のメリット
  • CCM運用時の利便性が向上
    • 部品作成時の手間やストレスが軽減
    • 中途半端な部品がCCMに登録されるのを防止
  • CCM上のシンボル/フットプリントをLocal部品に割り当て可能

Circuit Designer

実装拠点毎/製品バリーエーション毎のBOMを”仕向け機能”で管理

機能実装の背景(ユーザー様からご要望)
  • 仕向け設定(部品単位で実装・非実装・代用部品)を管理したい
  • 仕向け毎のBOMを出力したい
  • 仕向けBOMをCBM(部品表管理システム)で管理したい
実装後のメリット
  • 「出荷先」や「製品バージョン毎」の部品の定数違いや実装・未実装の違いを一つの回路図データに設定し、仕向け先毎に部品表を出力できる
  • 仕向け管理工数の削減
  • CBMとも連携することで、開発業務のDXを推進

バス・ポート接続を機能拡張

ポート名基準の概念を追加することで、運用の柔軟性を設計者が調整できるようになりました。
・バスルール基準:バスに関連するネット名を明記し、厳密に管理できます。
・ポート名称基準:ポート名が一致することで接続され、手軽に運用できます。
         ただし、片方にしか存在しないネットは接続されません。

機能実装の背景(ユーザー様からご要望)
  • 多数のネットを接続するにはポート名が長くなってしまう
  • コンバート時に、他社ツールとの命名規則(バスルール)が異なり、修正が必要
  • 複雑なバスルールを使わず、シンプルにポート名で接続したい
    • バスルール基準:複数ネットを接続した場合(下図のケースが複雑だった)
実装後のメリット
  • 複雑なバスルール基準を使わず、ポート名を一致させるだけでバス接続が可能
  • ユーザーの状況や好みに合わせてバスルールを選択することで、他CADからの操作性の違いや設計時のストレスを低減
設定時の注意事項
  • バス名称でネットを繋ぐ場合、どちらか片方にしかないネットは繋がらない
  • ERC設定で設定を変えると、ポート命名規則に則して、ネット名/ネットリストが変わることがあります

※その他、ポートも機能向上!
ポートの視認性や直感的な使いやすさを目指しました。
・ネット色に連動してポート色も変更されるようになりました。
・ポート幅、ポート各位置の自動調節機能を改善し、ポート名に連動した調節や一括調節機能が可能になりました。

Spiceモデルピンとシンボルのピン数不一致に対応

「提供されているspiceモデル」と「PCB設計を考慮した回路図シンボル」をそのまま連携しようとすると、ピン数が異なり、LTspice連携ができない状態でした。
QuadceptからLTspiceネットリストを出力する際、複数ピン設定を1つのピンとして出力可能にすることで、LTspice連携を実現しました。

回路図へネットリスト入力が可能に!

外注や他社CAD間でのやり取りにおいて、回路図へのネットリスト入力機能のご要望をいただいており、対応しました。コンバートの確認・修正作業においても活用できます。

回路図トレースにおける利用シーン
  • これまで
    • 回路図上へネットリスト入力ができなかった
    • DXFや画像を用いて、回路図をトレースしながら、部品配置・結線作業が必要でした
    • 結線作業において、結線漏れなどの人的ミスが発生しやすい状況だった
  • これから
    • 回路図上へネットリスト入力することで、部品配置・接続補助線の表示ができるようになった
    • これにより、回路図を復元する際の接続ミスを減らし、復元の工数が短縮されます

PCB Designer

銅箔基準でネット生成する「逆ネット出力」

ガーバーデータやコンバートなどで入力した基板データやPCB設計データから、銅箔基準でネット生成する「逆ネット出力」機能を追加しました。これにより、対応できる設計作業の幅が広がりました。

機能実装の背景(ユーザー様からご要望)
  • 設計後に接続情報の確認や、ネット照合を行いたい
    • 配線がショートしている場合などDRCだけでは検証が不十分
    • 不安に感じる
    • 設計ミス防止、ダブルチェック用途
  • 品質保証を証明するために「ネットリスト」と「逆ネットリスト」の照合結果を提出したい
    • 顧客への納品物として「銅箔基準のネットリスト」が必須になっているケースがある
  • ネット未指定のままでガーバーデータから復元したPCBで電気的な接続を元にピン間の接続情報を出力したい
実装後のメリット
  • 未配線・ショートをDRC以外の手段で確認可能
  • 品質保証のアウトプットとして逆ネットリストの提供を実現
  • 基板の復元作業がより便利に

数値入力でフットプリント作成!IPCフットプリント用途拡張

設計において重要な部品作成だが、「できるだけ部品作成にかける時間や手間を省きたい!」との要望が多かった。これまでも数値入力でフットプリントを作成できるIPCフットプリントを提供していましたが、実用するには手順が多かったため、改善しました。

機能実装の背景(ユーザー様からご要望)
  • IPCフットプリントをビルダーとして活用し、フットプリント編集を使って、
    各種データシートに沿ったフットプリントを作成したい
  • これまでのIPCフットプリントを編集するには手順が多く、手間が発生していた
  • IPCフットプリントから編集するケース
    • シルク形状の編集
    • 一部パッドの削除し、部品中央に放熱パッドを配置する
    • ピン番号を一部修正したい                などの一部修正
実装後のメリット
  • IPCフットプリント流用時の作業手間が軽減
  • IPCフットプリント作成機能をビルダー用途として使いやすくなった

動的ベタの塗り輪郭を静的ベタに変換

機能実装の背景(ユーザー様からご要望)
  • ベタの塗り形状を静的ベタに変換したい
    • 塗り形状を確定させたい(形状を変えたくない)
    • 特定の塗り形状の輪郭編集がしたい
実装後のメリット
  • 動的ベタの塗り輪郭を修正できるようにすることで、設計の幅が広がる
  • 簡単な操作で動的ベタを静的ベタへ変換できる

解決された問題

Common

  • クリップボード系の外部ツールと干渉し、図面上のコピー&ペーストが正しく動作しない場合がある現象を修正しました。
  • 特定の状況において、CADの起動が極端に遅くなる場合がある現象を修正しました。
  • アノテーション・新旧比較の比較ダイアログの表記を見やすく改善しました。

PCB Designer

  • 空配線(ネットなし配線)作成時にパッド引き込みするように調整しました。
  • 特定のデータ・操作によって角処理が正しく動作しない問題を修正しました。
  • ベタ作成・更新で発生していた複数の現象について修正しました。
  • 禁止領域のカットアウトを禁止領域と異なる層に作ることができる現象を修正しました。
  • NCドリル表やレポートにおいて、公差が未入力(±0)の場合は空欄表記となるよう修正しました。
  • 非表示のReferenceが「銅箔文字:ソルダレジスト」のクリアランス違反で検出されてしまう現象を修正しました。
  • ネットクラス設定ダイアログにおいて、「選択ネット」の項目がハイライトされていない現象を修正しました。
  • ODB++出力において、ビアのクリアランスが正しく出力されない場合がある現象を修正しました。

Quadcept は開発から運営・サポートまで全て国内で行うことで、ユーザのご要望に柔軟に対応できることが強みです。まだお使いでない方は、ダウンロード(無料)してお試しください。

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